在学中 ・「Ⅱ章 学習の過程」を読んで
———授業以前に心得ておくこととして
まず第一に、相手を知らなければ始まらない。自分の経験だけではあまりに狭い。一般的な個々の生徒がどのように「学習する」か。どうやったら効果を一番あげられるのか。「学習する」とはどのような過程なのか。
幸いにも人工知能を研究する過程の中でいくつかの「学習モデル」が提案され、そこから得られる知見を実証的にも研究している。ひょっとすると我々の存在自体を根本から問うことかも知れぬと思いつつ、「学習の過程」についての知見を知ることは、個人の経験による「学習観」に頼るよりは、ずっと有効に思われる。人間が学習に向かう要因とは。学習に仕向ける対応とは。知的好奇心とは。そして一人の人間の中で、知識が生き生きとその人自身のものになるためにはどうすればいいのか。そういった知見を、教壇に立つ前に知っておくことは計り知れぬほど価値あることだと思う。
第二に、授業に求められるのは変わっていく、ということ。自分が受けてきた授業を再生産することは、有効でないどころか有害ですらある。自分という「個」が培ってきた「授業観」を一般的なものにするにも、人間がどのように学習するか、を知ることは大事だ。それに基づいて、なお時代と共に変わる要求に合わせた授業を再生産ではなく「独創」すべきなのだ。
最後に、僕は知らず知らずのうちにいろいろな「方略」を適宜使ってきたことを思い出し、「方略」の指導、つまりメタ認知、メタ記憶について悟らせたり、実感させたりするのも必要であろうと思われる、として結ぶ。
見てみて真似る やってみて真似る
あさのおかぎり 真似る良い子は すくすく育つ
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